スローな時間

最近、異国の日本人に、なにかを感じ入ることが多いワタシ。
『 かもめ食堂 』は、特に、今の自分に心地好い映画。
ご存知の方も多いかも知れないですね。

日本人キャストは、小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさん3名のみ。
遠い異国フィンランドで営む、JAPANESE SOUL FOODなお店_かもめ食堂の物語。

かもめ食堂のメニューは、『 おにぎり 』を始めとする和食オンリー。
そして、コーヒー。(フィンランドは世界一のコーヒー消費国)
性格も異なれば、フィンランドに辿りつくプロセスも全く異なる三人の日本女性が、
かもめ食堂を介して出逢い、それぞれの人生が、静かにゆったりと変化していく映画。

人生は、一見日常的なことが淡々と過ぎているようで、
実はどこかで静かに、非日常的な出来ごとが起きていたりする。
そうやって、少しずつ変化していく。

その中で不思議と印象に残るのは、荷物の到着を待つ、「まさこ」のシーン。
空港の手違いで自分の元に届かない『 荷物 』を、まさこが静かに問い合わせる言葉。

「 わたしの荷物、まだ、出てこないかしら。。。 」

食堂の人々の交流が大半を占める物語の中で、どこか異空間を感じさせるシーン。
何度か登場するこの光景を、無意識の世界に誘い込むように演じる もたいまさこさんは、
やっぱり凄いなと思ってしまいます。

『 わたしの荷物、まだ、出てこないかしら。。。 』

「 わたしの荷物 」が、まるで時空を越えた別のもののように伝わってくる不思議なシーン。

過ぎ去ったこと、これから起こること、いま起こっていること。
過去・現在・未来、全てひっくるめて、普遍的に流れている無意識の問い掛け。

誰もが、人生で何かを待ちながら生きている。
それが何であるか、はっきりと分からないまま。
しかも、それが自分の元に届かないまま、もしくは、
すでに届いていることに気付けないまま、
フツウに生きているものかも知れない。

それぞれの内にある期待は、「旅の荷物」のようにまとまってはいなくて、
ごく当り前に流れつづける「時間」の中で、淡々と、確実に営まれ、過ぎていく。

__そんなことを感じる、まさこのシーンも、
映画を観終わった後は、無性におにぎりを作って無心に食べたくなり、
豆を挽いてコーヒーを淹れたくなります。

主人公「サチエ」の、凛とした優しさ。素朴な和食の温もり。
スローな時間を感じさせる映画です。
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4 Comments

りんこ  

No title

先生、こんばんは。

かもめ食堂などのフードコーディネートの方の本、
『LIFE』にも、おにぎりが載っていました。

私は、『めがね』しか観たことがなくて、、、。
『かもめ食堂』も観てみたいです!

『LIFE』を読むと、、、
(作り方を見るだけなのですが)
スローなんです、本当に。
いつも『時間かかりそうだなぁ』と思ってしまうのですが、
そういう時間も、楽しめたら良いのかなぁって。
最近、よく思っています。

2009/11/26 (Thu) 18:59 | EDIT | REPLY |   

峰レア  

No title

>りんこさん
お塩を振って鮭を焼くところから『おにぎり』が始まりますよね?
美味しいそうな和食がじゃんじゃん出てくるので、
それだけでもとても安らぐ映画です☆

2009/11/26 (Thu) 19:20 | EDIT | REPLY |   

pon  

No title

こんにちは♪

私の名前は、「サチエ」で、我が家の隣のお肉屋のおかみさんは、もたいまさこ さんにそっくりです!!

・・・・って、関係ないか(^^;≫

2009/11/27 (Fri) 08:25 | EDIT | REPLY |   

峰レア  

No title

>ponさん
そうでした!サチエさん☆
お名前だけじゃなく、何となくキャラクターも通じ合うような気がします(^^)
後は片桐はいりサンが何処か近くにいれば・・(笑)

でも、いらっしゃいませ!と、もたいまさこサン似の奥様が出てくる肉屋さんって、なんかイイですね。
因みに・・、「肉屋さん」のお惣菜って妙に美味しいので、
ついつい買ってしまいます。

2009/11/28 (Sat) 08:02 | EDIT | REPLY |   

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