コーヒーの真実



エチオピアのコーヒー農家の切迫した実情を追ったドキュメンタリー映画、『おいしいコーヒーの真実(原題:BLACK GOLD)』を初めて観た。
実際、手間暇かかる農作物であるコーヒーが、なんでこんなに安く飲めるのか、ずーっと不思議だった。
その理由が分かる映画。

コーヒー産業の実態は世界の縮図だ。世の中の仕組みを悲しいほど映し出している。

石油に次ぐ規模で取引されている国際商品のコーヒー。産地の多くはアフリカや中南米、東南アジアなどの途上国。
近代的とは言い難い土地で苦労の末に収穫された珈琲豆は、大国の一方的な値で取引されていた。
何となく気付いていた現実を、直視するか、しないかは、人それぞれ。。



虫喰いや形の悪い豆をハンドピックで取り除く作業を一日8時間やった報酬は 1ドルにも満たない。

途上国の経済を支えるコーヒーが、お米や野菜と同じ農作物であるにもかかわらず、対価として全く釣り合わない安値で抑えられている裏には、大国主義の根深い問題がある。
コーヒーという世界的な嗜好品を隠れ蓑にした、現代の奴隷システムにすら思えてしまう。。

コーヒー価格が暴落したため、辛いだけのコーヒー栽培に見切りをつけ、家族を養うため止むを得ずチャット(麻薬)の木を栽培する農家も増えているそうだ。

それを知ったところで何が出来るか、ただただ途方に暮れるだけかも知れないけれど、
身近にある矛盾や不条理を意識することは、大いに意味があるように思う。
例えば、、、スタバのコーヒーを飲みながら『途上国への募金』をする行為の理不尽さに気付くだけでも意味がある。



仙台の桜ヶ丘にあるオオヌマコーヒーが、メニューの冊子にそれぞれの珈琲豆の生産者やファームの写真を掲載している気持ちが、少し分かった気がする。

最近よく感じるのは、何も知らない沈黙と、真実を知った上での沈黙は、全く意味が違うということ。

それでも私は、時折スタバやマックのコーヒーを飲むかも知れないけれど、その度に、コーヒーの木を伐採して麻薬の木を植えようとするエチオピアのお父さんの表情を思い出すだろう。


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5 Comments

Principessa  

No title

え、見たい。

2012/10/05 (Fri) 17:27 | EDIT | REPLY |   

峰レア  

No title

>Principessaさん
近所のTSUTAYAにありました^^
シリアス&シニカル。だけど、ポジティブな姿勢も感じる内容で良かったです。

2012/10/05 (Fri) 17:38 | EDIT | REPLY |   

峰レア  

No title

追記:邦題が『おいしいコーヒーの真実』なので、レンタルでは、洋画ドラマなどの『お』のゾーンに置かれてると思います。

2012/10/05 (Fri) 17:49 | EDIT | REPLY |   

タダ  

No title

切なすぎます・・・。これだけ需要のあるコーヒーがそんな切実な状況下にあるとは。一粒のコーヒー豆に生産する方々の想いがどれだけ詰まっているのか気付かないはずないでしょうに・・・もっと愛や想いを込めて扱ってほしい。

2012/10/05 (Fri) 23:24 | EDIT | REPLY |   

峰レア  

No title

>タダさん
安く手に入るものの裏には、過酷な真実が秘められていることの代表的な例なのでしょうね。コーヒー産業は。
この映画を観たあと、フェアトレード・コーヒーをネットで探したほど、かなりインパクトのある内容でした。
私自身、コーヒーを仕事で取り扱ってしているので、とても深く考えさせられました。

2012/10/07 (Sun) 22:04 | EDIT | REPLY |   

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